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この結果、エンジン中央部での曲げ振動が約半分に下がり、目標回転数である1,320rpmまで運転可能となった。(図84)

 

b)320mm試験エンジン
プロトタイプエンジン(16V)について、慣性力が最小となる最適バランス率について検討を実施した。

 

320mm試験エンジン(L6)のような列型エンジンの場合は、100%バランスが最適となるが、プロトタイプエンジンのようなV型エンジンの場合は、100%以上のオーバーバランスにする必要がある。
プロトタイプエンジンでは、
水平方向の最適バランス率:117%
垂直方向の最適バランス率:150%
となる。
V型エンジンの場合も、水平方向の慣性力の方が重要と考えられるため、最適バランス率を117%とし、この値をプロトタイプエンジンに採用することとした。(図85)

 

3.11 軸受

回転数上昇により、ピストン、連接棒の慣性力が大幅に増加するので、軸受条件が厳しくなる。
即ち、油膜厚さが減少し、油膜圧力が増大するため、軸受の焼付や寿命の低下、クランク軸摩耗の増大が懸念される。
従って、軸受条件を実績のあるレベルに維持するための条件について検討することが必要となる。
軸受条件を判断するため、油膜厚さの計算(シミュレーション)を行った。油膜厚さを増加するためには、潤滑油の温度を下げることが有効であると考えられるため、この点についても検討を行った。
また、シリンダピッチの短縮を考えた場合、軸受幅を低減する必要があり、耐摩耗性、耐荷重性能などに優れるリーレンラガー軸受を用いる場合についても検討を行った。(図86)

 

 

 

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